『バーチャファイター』の宴は続く

セガサターン版『バーチャファイター』のおかげで、コマンド入力のコツも覚え、ゲーセンでプレイする『バーチャファイター2』でもその修業の成果が現れてきた。となると、強い奴に会いたくなるのは当然の流れである。地元の国分寺、立川界隈でも勝率はさほと良くなかった私だが、最強と呼ばれるその強さはやはり気になるもの。強者が集うと言われた新宿西口界隈にあるゲーセン「スポット21」へ遠征した。混みあう店内、対戦台が空いているのに大勢いるギャラリーは座ろうとしない。対戦台の向こう側に座っていたのはウルフ使いの有名プレイヤーだった。

折角だから……意を決して、空いている対戦台に着座する。100円投入、キャラクターはラウを選択。「Fight One、Ready Go!」筐体から流れる音声、手数で押そうとするも的確にガードされ、しかも隙があれば投げられ、リプレイを見ているかのようにあっさりと3本取られて終了。何も出来ないとはこのことである。ギャラリーからの「下手なやつはプレイするなよ」という無言の視線も辛かったが、自ら対戦格ゲーの最前線に飛び込んだことは、数年前『ストII』でシングルプレイがやりたいのに、小学生に乱入されて完敗した時とは全く逆の気分であった。